【JCAお悩み相談室vol.5】指導者がついていない状態で活動する場合の安全管理体制についてアドバイスがほしい。

◎今週のお悩み

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指導者がついていない状態で活動する場合の安全管理体制について、ご教授お願いいたします。また、指導中の事例(事故)を通して、事前準備として必要と思われることがあれば、アドバイスください。

ちなみに弊部は学校職員であるコーチとの2名体制で、私とコーチいずれかが現場を見ることが出来るよう可能な限り調整しています。しかし、校務の都合上どうしても2名とも現場につくことができない状況があります。また、リーグ戦では2名とも試合会場に出向き、居残り練習に関しては学生コーチ主導で活動します。危機管理の部分で「AED」をグラウンドに設置し、「救急車を呼ぶ」など不測の事態での対応も実施しております。他の指導者の取り組みを参考にして、より安心、安全な取り組みを行いたいと考えております。

(福岡県 大学硬式野球部 監督)

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◎山田晋三 筑波大学アスレチックデパートメント 副ディレクターの回答

緊急時に備えて重大事故のガイドラインなどを事前に作っておくことも大切ですが、11秒を争う救命時 (救命曲線) に速やかな対応を実施するためには、日頃からシミュレーションしておくことがさらに重要です。

最低限、年に一回は部員への講習会を実施し、救助される側・救助する側のどちらも想定しておきましょう。消防署が講習会を開催しているので、近くの消防署へ確認すると良いと思います。

指導者がいない場合の対応の仕方を明記し (決め)、学生に徹底させましょう。誰が、いつ、どのように、指導者に連絡するのか?救急車を呼ぶなどの判断は誰が下すのか?など指揮系統と役割分担を決めておくと良いでしょう。

米国NCAAでは、このような緊急時対応や救急看護を共通ガイドラインで定めており、緊急行動計画(EAP)を必ず明記するように定められています。

[対応や予防について]

日本スポーツ振興センターがスポーツ事故防止ハンドブックを発行しているので、参考にしてみてもいいでしょう。

◎山田晋三(やまだ しんぞう)のプロフィール

1973年生まれ。関西学院大学卒。筑波大学アスレチックデパートメントの副ディレクター。小学校時代に米国でアメリカンフットボールを始め、関西学院大、アサヒ飲料をそれぞれ日本一に導いた。日本人として初めて北米プロリーグXFLに参戦し、2010年から2017年までIBMビッグブルーのヘッドコーチを務めた。国内の学生スポーツやアスリートの実情を熟知しているだけでなく、世界基準の学生スポーツのあり方にも精通。現在ではアスリートの安全対策プログラムの普及にも取り組んでいる。
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