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『前十字靭帯の損傷が半年で治る!? 注目される新手法「LIGAMYS」』

スポーツ選手にとってもっともやっかいな怪我の一つが、膝の靭帯損傷です。特に前十字靭帯を損傷すると、手術から復帰まで平均して8カ月から1年以上かかると言われます。最近ではJリーグ川崎フロンターレのFW斎藤学選手が、昨年9月に負傷してから約半年で復帰したと話題になっていますが、例外的な事例と言えるでしょう。

近年、前十字靭帯の治療についての常識を覆すかもしれない、「LIGAMYS」という手術法が欧州で話題になっています。

Mathys:Ligamys」による手術法

https://www.youtube.com/watch?v=1_WTTugxTR8


最短4カ月で競技に復帰できたという報告もあるこの治療法について、帝京大学スポーツ医療学科准教授で、医学博士の宮本亘先生に見解をお聞きしました。

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元来関節の中は血流が乏しく、関節の中にある靭帯(前十字および後十字靭帯)はいったん断裂すると癒合しません(自然癒合には最低限の血流が必要)。その治療として靭帯を他の組織で置き換える(すなわち再建する)必要があります。これが今までの治療の常識でした。しかし、この手技は靭帯を縫合して癒合を期待するという、まったく新しいものです。

現時点でこの手技に関する、国際的に認められた論文(impact factorのあるjournalに掲載されている)である6本を分析すると、(動物実験による)基礎実験レベルの根拠がない、術後の長期成績に対する評価が不明など、信頼できる治療法かどうかの疑問は残ります。

しかし、この手術による短期成績(術後平均2年)は良好という事例は存在しているので、今後の長期成績の評価が待たれるところです。

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Ligamysによる手術を受けた患者が、再発せずにどれだけ長期的に競技をできるのかなど課題は多く残りますが、アスリートのスポーツ外傷にとって明るい未来となる可能性はありそうです。

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