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NCAAがスポーツギャンブルに関する研究を開始

NCAAの幹部、リーグのコミッショナーとコーチは、最高裁が下したスポーツ・ギャンブルに関する画期的な決定(20185月、米最高裁が全米での「スポーツ賭博」の解禁を認めた)から数週間熟考の後、大学スポーツにどのような影響を与えるかについて、NCAAの考え方を発表した。

カレッジフットボール2018-2019シーズンの開幕が迫る中、スポーツ賭博は数多くのリーグや連盟のカンファレンスメディアデー(各チームの監督及び主要選手たちがメディアとのセッションを行うイベント)で激論を呼ぶトピックとなっている。スマホを通じたスポーツ賭博の台頭に拍車が掛かり、昨年ネバダ州ではカレッジフットボールだけで45億ドル以上の賭博が行われた。現在、スポーツ賭博は他のいくつかの州にも拡大しており、NCAAはこの問題に正面から取り組み始めた。

今月初め、NCAAは大学スポーツの健全性を維持するため、賭博活動の監視とスポーツデータの管理における効果的な措置を研究するワーキンググループの設立を発表した。5月には最高裁判所が、「1992年のプロとアマチュアのスポーツ保護法(PASPA)」が違憲だったと宣言して、スポーツ賭博に関して四半世紀続いてきた連邦政府の禁止を打ち切った。当時、NCAAのマーク・エマート会長は、ギャンブルに関連する広範な懸念を再確認し、大学スポーツの健全性を維持するための強力な連邦基準を制定することを提唱した。NCAAは合法的なスポーツ賭博を合法とする州でのチャンピオンシップのイベント開催を禁止してきた。

NCAA最高法務責任者のドナルド・レミー氏は、「最高裁判所の判決を尊重していますが、スポーツ賭博に対する我々NCAAの主張は守っていきたい。この新しい状況下で、競技と学生アスリートの健全性を保護するために、私たちは長年続けてきた努力を更に進化させ、拡大しなければなりません」と述べた。

裁判所の判決以降、デラウェア州とニュージャージー州の賭博業者は、各州の多数の場所でスポーツ賭博施設を立ち上げた。また、ミシシッピ州は、当初予定していた721日の日程には間に合わなかったが、8月初旬にスポーツ賭博を提供できる13施設のうち1つを承認する可能性があると、国家賭博委員長のアレン・ゴッドフリー氏は指摘する。既にOle MissUniversity of Mississippiの愛称)は、スポーツ賭博のリスクからスポーツ選手を守るための適切なセーフガードの導入について、UNLVの関係者と協議している、とCBSSports.comは報道している。

マグノリア州(ミシシッピ州の愛称)には、FBSNCAA Division I Football Bowl Subdivision)に所属する3つのフットボールチームがあり、そのうち2つがSEC(サウスイースタンカンファレンス)に所属している。ミシシッピ湾沿岸のカジノ施設はルイジアナ、アラバマ、フロリダの郊外から120マイル以内に位置している。昨年、SECNFLNBAMLBPGAツアーの代表と連絡を取って様々な州議員との会話を通じて最新の情報を提供してもらっているとSECコミッショナーのGreg SankeySEC Media Daysで語った。Sankeyは、全米の多くのコミッショナーと同様、変化する情勢に適応する方法を模索している。

Sankeyは言う。「私たちにとって、ゲームの健全性は非常に重要です。ギャンブル活動の拡大は望ましくないかもしれないが、現在必要とされているのは、州と連邦の立法府の指導者が、ゲームの健全性を適切にサポートし、学生アスリートを守るための政策を立案し制定することです」

5つのカンファレンス(パワーカンファレンス=アトランティックコーストカンファレンス(ACC)、Big Tenカンファレンス、Big 12カンファレンス、Pac-12カンファレンス、サウスイースタンカンファレンスSEC))のコミッショナーは、それぞれがメディア出演の際に、スポーツ賭博が拡大する中で大学スポーツの健全性に関する疑問を提示した。ビッグ12のコミッショナーBob Bowlsbyは、数年後、現在英プレミアリーグで行われている試合のように大学サッカーの試合でホットドッグスタンドの隣に賭けブースを置くのは難しいと指摘した。それでもBig 12は、規則に従わない賭けのパターンが発生したときにカンファレンスに警告するようコンサルティンググループと連携している、と付け加えた。

「私たちは主に、ポイントシェービング(選手を買収して,賭博者の希望どおりになるよう故意に得点数を制限する不法行為)などの不正行為から学生たちを守りたい」とBowlsbyは語った。

他のコミッショナーは、NFLの故障者リスト同様の、FBSNCAA Division I Football Bowl Subdivision)の試合のための共通の故障者リスト制の可能性について話し合った。これまで、ACCは故障者情報を公表のためにコーチ間で紳士協定を結んでいたが、今後のシーズンはそれを廃止することにした、とJohn Swoffordコミッショナーは述べた。潜在的には故障者リストには怪我だけでなく、懲戒処分でゲームに出られない可能性のあるプレイヤーも含まれる、とSwofford氏は説明する。

また「プレイヤー、マネージャー、医師、プログラムに関連した立場で情報を不当に手に入れようとする人をある程度減らしている」と語った。

Pac-12コミッショナーのLarry ScottBig-10コミッショナーのJim Delanyが故障者リスト制のメリットについて話し合った。WTAWomen's Tennis Association)の元最高経営責任者CEOのスコット氏は、プロのアスリートとは違って、大学生は広大なキャンパスで過ごしていても、世間から保護された環境になってはいないと主張する。したがって、NFLの選手には、プライバシー問題に関する特定の連邦法が、学生アスリートとは違って適用されるだろう、と彼は指摘する。一方、Delanyは、このような登録リストはすでに数年前に実装されていたはずだと強調した。

Swofford氏は、シーズン開幕に向けて近いうちに全国的な基準で登録リスト制を導入すると予想している。

「実際は来シーズンに向けての取り組みになると思う。関係者はその時まで準備を整えなければならない」と語った。

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